はじめに
和紙は日本の伝統文化を象徴する紙素材。この記事では、和紙の特徴、洋紙との違い、製造工程、代表的な和紙の種類とともに、実際の用途例や商品を紹介します。(下部では低価格で直接販売もしております)
和紙とは?|日本古来の紙の定義と原料
和紙とは、日本に古くから伝わる製法で作られた紙の総称です。
楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの植物の繊維を原料に、「手漉き(てすき)」と呼ばれる伝統的な技法で、一枚ずつ手作業で丁寧に仕上げられます。
手漉きとは、水に溶かした繊維を木枠(漉き枠)ですくい上げ、均等に広げてから乾かすことで紙に仕上げる技法です。機械漉きと違って大量生産には向きませんが、繊維の長さや厚みを調整しながら作れるため、風合いや強度に優れた紙ができあがります。
洋紙と異なり、強度・柔軟性・保存性に優れており、今もなお文化財の修復や工芸品、建具などに利用されています。
※和紙=日本紙とも呼ばれます。

洋紙とは?|現代の生活に欠かせない紙素材
洋紙とは、西洋から伝わった製法で作られる紙のことを指します。
現在、私たちの身の回りにある紙製品のほとんどが、この洋紙にあたります。
主な原料は「木材パルプ」と呼ばれるものです。これは、木を細かく砕いて繊維を取り出した素材で、大量の水と混ぜて薄く広げ、機械で乾燥・加工して紙に仕上げます。
こうして作られる洋紙は、表面がなめらかで均一。インクがしっかり定着するため印刷に適しており、書籍や印刷物の普及とともに急速に広まりました。
コピー用紙、ノート、新聞、雑誌、教科書、図画工作用紙、包装紙、名刺、カレンダーなど――
私たちが日常で目にする紙のほとんどが、この洋紙によって作られています。
用途に応じて、厚みや質感、強度、色などが異なる多種多様な洋紙が開発されており、印刷や包装、工業用途まで幅広く活用されています。

和紙と洋紙の違い|見た目・触感・機能の違い
和紙と洋紙はどちらも「紙」ですが、原料・製法・機能面で大きな違いがあります。
以下の表で主な違いをまとめました。
項目 | 和紙 | 洋紙 |
---|---|---|
原料 | 楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)など植物の皮 | 木材チップから作られたパルプ |
製法 | 手漉きが中心。職人の手で一枚ずつ丁寧に漉く | 機械漉きが主流。大量生産に適した工程 |
表面の風合い | 繊維が見え、柔らかな質感。 温かみや独特の手触りあり | なめらかで均一。 印刷適性が高く、筆記もしやすい |
強度・耐久性 | 薄くても破れにくく、保存性が高い | 湿気や劣化に弱く、長期保存にはやや不向き |
印刷適正 | 表面がざらついており、インクがにじみやすい場合あり | インクがしっかり定着し、印刷物に最適 |
主な用途 | 障子、提灯、和傘、書道用紙、工芸・装飾品など | 書籍、ノート、コピー用紙、新聞、パッケージなど |
文化的背景 | 日本独自の伝統工芸。 地域ごとに特色ある和紙が存在 | 明治以降に西洋から導入。 印刷物の普及とともに浸透 |



和紙の製造工程|手間をかけて生まれる一枚
和紙は、自然の恵みと人の手間を惜しまない工程によって、一枚一枚丁寧に作られています。
ここでは、代表的な手漉き和紙の製造工程を簡単にご紹介します。
① 原料の準備(植物繊維の洗浄)
楮(こうぞ)や三椏(みつまた)などの原料となる植物の皮を剥がし、流水にさらして不純物や汚れを丁寧に洗い流します。
② 煮沸・柔軟化(繊維を煮る)
繊維をアルカリ性の液体で煮て柔らかくします。
昔は木灰を使ってアルカリ液を作っていたことから、自然素材への配慮がうかがえます。
③ 打解(だかい)=繊維をほぐす
煮た繊維を細かく砕いてほぐし、繊維同士が絡みやすい状態にします。
現在は機械を使用しますが、かつては棒でたたいて手作業で行っていました。
④ 紙漉き(かみすき)
水を張った漉き舟に繊維を均等に広げ、簀(す)と呼ばれる道具で紙の形にすくい上げます。
この工程で和紙独特の風合いや厚みが決まります。
⑤ 圧搾・乾燥
余分な水分を取り除いたあと、板に貼って天日や乾燥機でじっくり乾かします。
乾燥後に剥がせば、和紙が完成です。
こうした工程をひとつひとつ丁寧に積み重ねることで、丈夫で美しい和紙が生み出されます。
機械では再現できない、手仕事ならではの温もりや質感がそこに宿ります。


関連商品紹介|弊社で扱う和紙アイテム
「紙の相談窓口|機能紙選定ナビ」では、様々な商品を直接販売しております。
その中から、和紙に関するおすすめ商品をピックアップしてご紹介いたします。
中性紙和紙「天山」
▶高保存性と温かみを両立したOA和紙
商品画像

黒色背景時 紙の透け具合イメージ



\ 印刷時のイメージ画像 /





項目 | 内容 |
---|---|
紙の名称 | 中性紙和紙 天山 |
紙の種類 | 中性紙和紙(酸化による劣化を防止) |
保存性 | 中性抄造により酸性劣化を防止。長期保存に適し、文書や作品を色褪せずに残せる |
紙厚 | 約0.1mm(一般的なコピー用紙は約0.08mm)でしっかりした厚み |
風合い・質感 | 表面:ややつるつる/裏面:和紙特有のざらざらとした手触り |
見た目の印象 | ナチュラルな白色に繊維の表情がうっすらと浮かぶ。落ち着きと重厚感のある仕上がり |
印刷対応 | インクジェットプリンター・レーザープリンター対応(手差し推奨) 文字や図版も鮮明に印刷可能 |
紙粉対策 | 特殊処理により紙粉が少なく、コピー機の自動給紙にも対応 |
視認性 | 非光沢仕上げで照り返しが少なく、長時間の読書や高齢者にも優しい設計 |
主な用途 | 公文書/社寺の記録/書道作品コピー/歴史的資料の複製/保存版社史/賞状・証書など |
表現力・品格 | 普通紙では表現しきれない趣や真心を伝えることができる、高品位な和紙 |
価格(税込み) | A3サイズ:1000枚入 18,700円(100枚入×10袋) A4サイズ:1000枚入 9,900円(100枚入×10袋) B4サイズ:1000枚入 14,300円(100枚入×10袋) B5サイズ:1000枚入 7,150円(100枚入×10袋) |
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色付き中性紙和紙「千年の和紙」
▶非木材繊維から生まれた超寿命OA和紙







千年の和紙は、名前が示す通り1000年残すことを目指して開発された和紙シリーズです。特徴は原料に木材パルプを使わず、非木材由来の繊維だけで作られている点です。それぞれ異なる植物繊維を活かした6種類のラインナップがあります。中性抄紙技術により酸を含まないため、経年劣化や変色に極めて強い紙に仕上がっています。「千年の和紙」はインクジェットプリンタ・レーザープリンター対応のOA和紙でもあり、現代の印刷機で扱いやすいよう紙厚や寸法も整えられています。
ラインナップの6種類それぞれが風合いと特性の異なる紙となっており、用途に応じて選べます。それぞれの千年和紙には植物繊維ならではの独特な風合いがあり、見た目の美しさと保存性を両立しています。「大事な文書を半永久的に残したい」「博物館級の保存用紙が欲しい」というニーズに応える究極の中性紙和紙と言えるでしょう。非木材資源の活用というエコの側面でも優れており、長期保存と環境配慮を両立した未来志向の用紙です。
種類(素材名) | 用途 | 特徴 | 価格(税込) |
---|---|---|---|
麻(あさ) | 登記証明書、契約書、台帳、法律・税務書類など | 麻を使った強靭な中性和紙。紙粉が少なく機械適正が良い。特に耐折強度があり長期保存用に最適。自動給紙でコピー可能。 | 【A4サイズ】 500枚入:7,700円 (1袋20枚入×25袋) ▶購入はこちら |
竹(たけ) | 書道手本、墨絵、版画用紙、古文書、案内状など | 竹の繊維による柔らかでしなやかな紙質。吸水性が高く墨やインクの含みが良い。独特の風合いを持つ中性和紙。 | 【A4サイズ】 500枚入:7,425円 (1袋20枚入×25袋) ▶購入はこちら |
三椏(みつまた) | 登記申請用紙、契約書、証明書、台帳用紙、法律・税務書類、永久保存用紙、古文書、手紙など | 平滑で優美な光沢があり、インクの発色・定着が良好。長期保存に最適な最高級中性和紙。 | 【A4サイズ】 500枚入:15,125円 (1袋20枚入×25袋) ▶購入はこちら |
雁皮(がんぴ) | 永久保存用紙、古文書、契約書、書道手本、和帖、家系図、和綴じ帳、手紙など | 非常に平滑で上品な光沢をもつ最高級中性和紙。雲肌模様の趣ある質感で、長期保存に適している。 | 【A4サイズ】 500枚入:12,650円 (1袋20枚入×25袋) ▶購入はこちら |
稲(いね) | 案内状、見積書、メニュー、手紙など | 稲わらを原料にした硬く締まった紙質。金銀の砂子(微細な箔粉)を漉き込んだ気品ある和紙で、紙粉が少なく機械適性も高い。 | 【A4サイズ】 500枚入:8,250円 (1袋20枚入×25袋) ▶購入はこちら |
ケナフ | 見積書、案内状、便箋、印刷用紙、契約書など | 環境配慮型素材ケナフを使用。成長過程で大量のCO2を吸収するため地球に優しい中性紙。自然な風合いと3色のカラー展開(各色10枚)で、印刷物を個性的に演出できる。機械適正も良く自動給紙でコピー可。 | 【A4サイズ】 750枚(各色250枚)9,625円 (1袋30枚入×25袋) ▶購入はこちら 色味構成 ・うすむらさき ・うすみずいろ ・ペールオレンジ |
※和紙の色味の順(左から白色→右に進むにつれ茶色に)
あさ→たけ→みつまた→がんぴ→いね
※ケナフ3色の色味
うすむらさき・うすみずいろ・ペールオレンジの構成
※全てOA和紙:インクジェット・レーザープリンター対応

千年の和紙 麻(あさ)


■品名:千年の和紙 麻(あさ)
■特徴:
麻を使った強靭な中性和紙。紙粉が少なく機械適正が良い。特に耐折強度があり長期保存用に最適。自動給紙でコピー可能。
■用途:
登記証明書、契約書、台帳、法律・税務書類など
■価格(税込)
500枚入:7,700円
(1袋20枚入×25袋)
千年の和紙 竹(たけ)


■品名:千年の和紙 竹(たけ)
■特徴:
竹の繊維による柔らかでしなやかな紙質。吸水性が高く墨やインクの含みが良い。独特の風合いを持つ中性和紙。
■用途:
書道手本、墨絵、版画用紙、古文書、案内状など
■価格(税込)
500枚入:7,425円
(1袋20枚入×25袋)
千年の和紙 三椏(みつまた)


■品名:千年の和紙 三椏(みつまた)
■特徴:
平滑で優美な光沢があり、インクの発色・定着が良好。長期保存に最適な最高級中性和紙。
■用途:
登記申請用紙、契約書、証明書、台帳用紙、法律・税務書類、永久保存用紙、古文書、手紙など
■価格(税込)
500枚入:15,125円
(1袋20枚入×25袋)
千年の和紙 雁皮(がんぴ)



■品名:千年の和紙 雁皮(がんぴ)
■特徴:
非常に平滑で上品な光沢をもつ最高級中性和紙。雲肌模様の趣ある質感で、長期保存に適している。
■用途:
永久保存用紙、古文書、契約書、書道手本、和帖、家系図、和綴じ帳、手紙など
■価格(税込)
500枚入:12,650円
(1袋20枚入×25袋)
千年の和紙 稲(いね)



■品名:千年の和紙 稲(いね)
■特徴:
稲わらを原料にした硬く締まった紙質。金銀の砂子(微細な箔粉)を漉き込んだ気品ある和紙で、紙粉が少なく機械適性も高い。
■用途:
案内状、見積書、メニュー、手紙など
■価格(税込)
500枚入:8,250円
(1袋20枚入×25袋)
千年の和紙 ケナフ


■品名:千年の和紙 ケナフ
■特徴:
環境配慮型素材ケナフを使用。成長過程で大量のCO2を吸収するため地球に優しい中性紙。自然な風合いと3色のカラー展開(各色10枚)で、印刷物を個性的に演出できる。機械適正も良く自動給紙でコピー可。
■用途:
見積書、案内状、便箋、印刷用紙、契約書など
■価格(税込/送料込)
750枚入(各色250枚)9,625円
(1袋30枚入×25袋)

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和紙の魅力は用途の広さにも|奉書紙もその一つ
和紙は、障子や書道用紙だけでなく、贈答用や祭事の場でも重宝される紙として、さまざまな種類があります。
その中のひとつが「奉書紙(ほうしょし)」です。
奉書紙は、かつては公文書にも使われた格式の高い和紙で、厚みと白さが特長です。
現在では、のし紙・金封・祭事用の敷紙などに使われるほか、用途に応じて赤く染めた「赤奉書紙」もあります。
赤奉書紙 活用例
正月飾りに活用


鏡餅と一緒に活用(宝紙として活用)


袴紙として活用


その他、様々な用途に活用できます。
赤奉書紙 詳細




※画像は500枚入/1箱 購入時の例です
商品説明
- 入り数 : 10枚 / 100枚 / 500枚 から選択可能
- 奉書紙サイズ : A4判 210×297mm / 半紙判 242×333mm / 柾判 530×394mm から選択可能
- 紙の特徴 :
片面は赤色、片面は白の奉書紙です。赤色面はつるつると滑らかで、白色面は少しざらっとしています。 - 使用用途 :
一般的な奉書紙と組み合わせて、のし紙やのし袋を作るときに使われます。
赤奉書紙 価格
サイズ | 枚数 | 価格 (税込) | Amazon |
A4判(210×297㎜) | 10枚 | 900円 | 送料無料 購入 |
半紙判(242×333㎜) | 10枚 | 990円 | |
柾判(530×394㎜) | 10枚 | 1,700円 | |
500枚 | 19,800円 |
まとめ|和紙は伝統と機能をあわせ持つ、今も活きる素材
現代では洋紙が主流となりましたが、和紙ならではの風合いや柔らかさ、強さは、ほかにはない魅力です。
伝統的な技法を受け継ぎながらも、耐水加工や染色など新しい技術との融合によって、和紙は今も進化を続けています。
障子や書道といった用途にとどまらず、装飾や雑貨、パッケージ、そして現代のビジネスシーンにも活用される和紙。
ぜひ一度、日本の紙文化にふれてみてください。きっと新しい発見があります。



弊社では和紙をはじめ、さまざまな「紙」の取り扱いがございます。
紙についてのご相談や、サンプル品のご提供、お見積り等も承っております。
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